國頭晋さんより拝借しました。

オーストリアの情報です。国による文化面での活動制限緩和を受け、オーストリア合唱連盟が「活動再開にあたっての推奨事項」を纏め、HPに公表しています。
http://www.chorverband.at/
文書には科学的根拠も複数掲載されています。以下、拙訳です(怪しいところは原文を御確認下さい)

2020年5月29日以降の合唱活動に対するオーストリア合唱連盟の推奨

文化セクタに適用される新しい規則(231号規則…)に従い、合唱団による練習及び演奏会が5月29日から再び可能となる。責任ある練習/演奏活動再開を支援/ガイドすべく、オーストリア合唱連盟幹事会は以下の推奨事項を決定した。

基本事項
・リハーサル、コンサート、サービス(教会)での合唱、関連する教育イベントが、感染防止法におけるイベント。
・公式の規定(規則)と、特に最小距離(現時点では1m)は常に遵守。
・個人の責任という原則は全合唱団員に適用。
・最優先事項は、合唱団員の健康を守り、リスクを最小にすること。
・病気・風邪の症状があったら参加しない。
・物理的な接近(お迎えの挨拶、接近したグループでの討議など)は絶対避ける。
・練習やパフォーマンスで公式の最小距離(現時点では1m)を守れない時は、適切な保護措置をとらねばならない。

練習前における責任ある者(合唱指導者)への推奨
以下のタスクを担当する一人またはそれ以上の担当者を任命:
・衛生概念(ルール)の解説と遵守
・衛生概念(ルール)の周知(プレゼンテーションとコミュニケーション)
・練習前/練習後/休憩中の最小距離の順守
・質問に関するコンタクトパーソン(連絡担当者)

衛生概念(ルール)の策定
・入室/退室:複数の出入口、一方通行、離隔ルールなど
・入室/退室時及び休憩時のマスク(口・鼻)着用
・練習室や人が触るところ(ドアノブ、ひじ掛け椅子等)の消毒
・練習室の繰り返し換気、定期的な空気の入れ替え
・衛生設備の使用ルール:信号表示、時間枠など
・感染時の対応:連絡担当者と責任者へ速やかに情報提供

練習の概念(ルール)の策定
・より大きな部屋、できれば教会や屋外などへの練習場所の変更
・肘掛椅子の列を互い違いに配置(市松模様)
・合唱団員の距離を最大限に確保:正面・背面・側面とも1.5mを推奨、おおよそお互いの腕が触れ合わない程度
・距離を保てるよう最大人数を制限
・練習を小単位(グループ)ごとに(区切って?)練習:発声練習、パート練習、できれば1グループ(区切り?)あたり1回の練習
・短時間の練習とし1時間で最低10分間は強制換気。
・歌唱前の発声練習は汗が出ない程度にとどめる

練習に対する推奨
・団員の個人責任であることを注意喚起
・練習室に入る時間の設定
・距離を保つよう床面に表示
・推奨された距離確保の遵守
・楽譜立てなど必要なものは自前のものを使用
・着席状況の写真或いはスケッチをとっておく(接触状況の追跡ができるように
・必要な時にはマスクを着用し、湿ってきたら取り換える。

その他
・責任者(団長或いは指揮者)は公のルール(規則)を団員に守らせる責任がある。規則の遵守と守るべき対策を言及することにより、練習に起因した団員の健康上の結果に対し免責される。
・これらの推奨は、演奏活動、ワークショップ/コース/合唱週間などの開催に対しても適用される。
・セミナーが教育機関等で行われる場合には食事提供や宿泊業界にも適用する。

広範な音楽の中にあって歌唱は特に重要である。 そのような歌唱活動は健康を損なうものではなく、飲食・スポーツなど諸活動と同程度の影響にとどまる。
しかしながら感染リスクを最小限にするための対策の不遵守は危険である。個人の責任と仲間への思いやりがあらゆる社会活動における成功の鍵である。
リスクを最小にするための上述の対策は以下の委員で構成される専門家委員会の推奨に拠っている:
Mag. Heinz Ferlesch, o.Univ.-Prof. Mag. Johannes Prinz, DDr. Karl-Gerhard Straßl MAS, Mag.Felicitas Moser, Prof. Dorothea Draxler, Dr. Ingrid Kapsch, Gudrun Perthold, Hansfrieder Vogel M.A., MMag. Gottfried Zawichowski and Prof. Gerald Wirth.

これらの推奨は練習と演奏活動の責任ある再開への指導指針として提供される。
オーストリア合唱連盟幹事会決定、2020年5月28日

推奨事項の根拠
・2. COVID-19-LV amendment of May 27, 2020: www.bmkoes.gv.at/Themen/Corona/Corona-Kunst-und-Kultur.html
・Study “Assessment of the risk of infection with SARS-CoV-2 viruses while singing” by the Charité Berlin from May 4th, 2020:
 https: // audiologiephoniatrie.charite.de/…/Allg…/Singen_und_SARS-CoV- 2_Prof._Mürbe_et_al._04052020.pdf
・Study “Risk assessment of a coronavirus infection in the field of music” by the University of Music Freiburg, 2nd update from May 19, 2020:
 https://www.mh-freiburg.de/hochschule/covid-19-corona/ riskeinschaetze
・Study “Making music during the pandemic – what does science advise?” From the University of the Bundeswehr in Munich on May 8, 2020:
 https://www.unibw.de/…/musiken-waehrend-der-pandemie-was-ra…
・”Examination and photographic documentation of aerosol and condensed water emissions by choir members” of the medical
 University of Vienna on behalf of the Austrian Choir Association from May 27, 2020: www.chorverband.at